Canyon Ultimate CF SL 8 Aero – フル組立ガイド | 写真付きで分かりやすく解説
はじめに
Canyon Ultimate CF SL 8 Aero(2023モデル)を組み立てするにあたり前記事で
どのように使用してきたかの詳細記事と
フル分解し重量測定結果
の2本を記事にしてきました
重量測定を終え最終章、いよいよフル組立に移ります。
本記事では、各パーツの取り付け工程を写真付きで詳しく解説します。
組立作業におけるポイントや注意点も紹介しますので、ぜひ最後までお楽しみください
さあ、いよいよ組立開始だ!準備もばっちりだし、あとはやるだけだね
ほんとに大丈夫?途中で『あ、これ忘れてた!』とか言わないでよね
ぱぱ、ぼくもやる!なにすればいい?
ちびだむは応援係!工具は危ないからね
注意点
組立作業は適切な工具を使用し、トルク管理は特に徹底する必要があります
ヘッドベアリングの確認
まずはヘッド周りのベアリングから確認します
ロアベアリング
ロアベアリングはプレートで固定されており外れないようになってます
これを外すには少々特殊な工具、いじり止めのトルクスレンチが必要です
サイズはT20です
ふきふきした後がこちら
なかなかきれいだね
サビも固着も全然見られないし回転も良好!このままグリス塗って取り付けるよ
アッパーベアリング
ヘッドのアッパーベアリングはロア側に比べて汗や雨にさらされやすいので圧倒的に劣化しやすいです
さて、このアッパーベアリングの状態、どうだろう…ドキドキ
こっちも同様にグリスをたっぷり塗って取り付けます
ヘッドベアリングによくおすすめされているのがこちら
ワコーズ BPR ブレーキプロテクター チューブ 耐熱・耐久ディスクパッドグリース 100g V160
もともとは車用だが鉄壁の防水性があるようで自転車屋さんではこれをヘッドベアリングに塗布してるとこも多いみたい
これを使ってみたかったんだけど値段がね~
100gで4700円はねー自転車屋さんならまだしも個人で使うなら躊躇しちゃう値段よね
そう、だから私は今回は見送った
ひとまずここまで組み上げました
次はハンドル周り組み上げます
この機種最大の特殊機構ハンドル周りを解説!
Canyon Ultimate CF SL 8 Aero(2023モデル)のハンドル周りには、エアロ性能を追求しつつ、
快適性とメンテナンス性を兼ね備えた特殊な機構が採用されています。
以下、その特徴を解説します。
CP0018 Cockpit: 一体型エアロハンドル
- 可変ステム長
ハンドルバー自体にハンドル高の調整機能が組み込まれており、
コラムカットすることなく付属スペーサーで調整が可能です。 - 内装ケーブル設計
ケーブルは完全に内装化され、外部に露出しないデザインを採用。
これにより、見た目が美しく、空力性能も向上 - ハンドル分解可能な構造
分解可能な構造でハンドル幅を調整可能
コラム付け根に赤丸の金属むき出しの部分が対角に二カ所あります、これによりハンドルが90℃以上回らない構造になってます
コラム上端にはプレッシャーアンカーの代わりとなる金属が接着されています
この部分に専用工具(Canyon GP7203-01 Headset Tool)を差し込むことでフォークを持ち上げる仕組みです
フォークを固定するための金具をハンドルの中に入れます
上下の向きがあるので気を付けて
フル内装で最難関!?ブレーキケーブルの通線
フル内装フレーム特有の「ブレーキケーブルなかなか通らない問題」
細い穴にケーブルを通すのは、作業の中でも最大の難所です
よし、このケーブルをここに通すだけ……なんだけど、なんでこんなに通らないの!
またやってるの?それ、毎回時間かかるよね。何かコツとかないの?
コツっていうか、忍耐だよ、忍耐。あとはちびだむの応援!
がんばれー!ぱぱー!でも、ぼくもやりたい!
だめ!ちびだむがやったらさらに時間かかるから!
大丈夫、今回も覚悟してるから必ずやり遂げる……(汗)
よっしゃ!通った!ここまで来たらもう勝ったも同然だ!
え、それってここが最難関ってこと?
うん、ここさえ突破できれば、あとは組み立てるだけ。大きな山を越えた感じだよ!
ぱぱ、かっこいい!
画像ではケーブルを2カ所同じ場所に通していますが後で間違いに気づき修正しました。。。
ハンドルの玉あたり調整と固定
ハンドルにケーブルを通したら次は特殊工具(Canyon GP7203-01 Headset Tool)で玉あたりの調整です
画像で分かりづらい方は私の尊敬する野澤伸吾さんの動画を参照ください
とても分かりやすく解説なさってますよ
DIY派の私にとってとても有益な情報をいつも提供してくれます
ハンドル固定完了したら次はハンドル幅の調整だよ
今回は390mmに調整してます
ここまでで私的には最難関突破です!
ブレーキ及びケーブルの取り付け
ハンドル周りが決まったらSTIレバーにブレーキケーブルを取り付けするよ
だけどこのシマノ純正品は全くお勧めしない!しかも高いし!
ぐちぐち…
えーなんでー?
インサートを挿入する時に本来はがっちりケーブルを固定しなきゃいけないのに、この工具はケーブルをうまくグリップできなくて滑るんだよ、だからファイバーグリップという滑り止めグリスを使ってしのいだよ
ふーん、よくわかんないけどうまくいったんだね
そう、このグリスはカーボンロードバイクを組み付けるのに必須アイテムなんだ
塗布することでカーボン同士の摩擦力をぐっと高めてくれて過剰な締め付けトルクを防止してくれるんだ
純正品選んでおけば間違いないでしょ精神で失敗した私のようにならない様
読者の皆さんはシマノ以外を買いましょう(笑)
次はこれが欲しいと思っている
脱線したけど次はブレーキの取り付けするよ
Canyon評価 ポイントアーップ!!!
駆動系の取り付け
さあこっからサクサク行くよー!
回転もスムーズ
油圧ブレーキのブリーディング作業
油圧ブレーキの重要な作業の一つ「ブリーディング」(エア抜き)
空気が残っているとブレーキの効きが悪くなるため、慎重に作業を進めます
さあ、ここからが勝負だ。エア抜き作業、集中していくぞ!
これ、見るたびに思うんだけど、やたらと難しそうね。本当にできるの?
任せて。もう何度もやってるから慣れてるよ。コツは、エアがしっかり抜けるまで丁寧に根気強くやること!
ぱぱ、エアってなにー?
「んー、空気のことだよ。空気が中に入っちゃうと、ブレーキがちゃんと効かなくなるんだ
ふーん。でもなんでブレーキの中に空気がいるの?ばいばいすればいいのに!
それをこれからやるんだよ
よし、オイルを送り込んで……空気が抜けるまでしっかりチェック!
なんか、理科の実験みたいね
ぱぱ、ぼくもやりたい!
これだけはだめだ!ミスったら大惨事だから(笑)
でも、これが終わったらもう完成間近よね?
そうそう!エアが全部抜けたら、後は細かい調整だけ。あとちょっとだ!
完了!ブレーキの感触もバッチリ。これで山場は超えた!
ほんとに?次また何か難しいの出てくるんじゃないの?
いやいや、これ以上は簡単だから大丈夫!
ぱぱ、すごいね!ぼくもいつかやってみたい!
変速機の調整 – 電動ならでは!スマホでサクッと!
最近の電動変速機は、スマホアプリを使えば調整が簡単に行えます。
リアディレイラーの微調整も、手元で操作できる時代に感謝です!
変速の調整はスマホアプリのE-TUBE PROJECTを使って行います
まずはフロントディレイラーの取り付け位置とリアディレイラーの調整していくよ
それぞれの取り付け位置初期調整が終わったら後はスマホでの電動変速の調整!スマホさえあれば、あっという間に終わるはず
ほんとに?今までの作業が大変そうだったから、ちょっと信じられないわ
ぱぱ、スマホであそんでるの?
違うよ!これ、ちゃんと作業してるの。ほら、リアディレイラーが動くでしょ?
ほんとだ、動いてる。でも、これって設定間違えたらどうなるの?
そうだね。ガチガチ音がしたり、チェーンが外れたりすることもあるけど、そこは確認しながら慎重にやるよ。
ぱぱ、ぼくもそれやりたい!
ちびだむ、これ触っちゃだめ!スマホ壊されたら作業どころじゃないから!
よし、これで完了!ギアチェンジもスムーズで文句なし!
あっさり終わったわね。さすが電動!
うん、ほんと便利だよね。昔はケーブル引きの微調整でめちゃくちゃ時間かかってたんだけど、これならあっという間だ
ぱぱ、つぎはぼくのじてんしゃもなおして!
電動変速の調整は、フル内装フレームの難関を乗り越えた後には心地よい「ご褒美作業」でした!
最終チェックと感想
主要なパーツの取り付けと調整が完了し、フル組立作業が無事終了しました。
残る作業として、バーテープやボトルケージ、ペダルなどの細かいパーツの取り付けがありますが、これらは次のオーナーさんの好みによる部分が大きいため、今回は装着を見送りました。
その状態で重量7.33kgでした!!想像していた以上に軽い!
いやぁ、ついにここまで来たね。組立作業を終えてバイクが生まれ変わった感じがする!
お疲れさま。あとは外で走らせるだけだけど、外は真っ白の雪景色よね
ぱぱ、ゆきのなかでじてんしゃのるの?ぼくソリのる!
いやいや、さすがに雪道は無理だな。試乗は春になってからかな
つまり3月くらいまでおあずけってことね。でも、その間に次のオーナーさん探しを進めておけばいいんじゃない?
それもそうだね。きちんと試乗して、納得の状態で送り出したいし